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FHN|小田部保育園

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Fukuoka

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FHN|小田部保育園

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Data

2014

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Award

日本建築学会 九州建築選 2014 奨励

Press

新建築2015年4月号(新建築社)

 2014年4月開園の小田部保育園は、福岡市小規模保育事業により新設された認可保育所(原西保育園)運営の施設である。小規模保育事業とは待機児童対策解消のため2015年度から国が施行する待機児童の多い0・1・2歳児を対象とした施策であり、本計画は福岡市が先行スタートした小規模保育事業のモデル事業によるものである。本保育園から100m程の立地に本園の原西保育園があり、行事・給食配膳・園庭利用などの時に互いに連携を密にとれる位置関係となっている。1・2歳児合わせて計12名の定員からなり、3歳児クラスから本園へ通う仕組みである。
 近くに室見川の流れる福岡市内の閑静な住宅街の一角にある本保育園は、周辺の住宅街と調和のとれたボリュームと家型の屋根形状により、地域の人々や園児たちに親しみのある大きな家のような外観としている。住宅街に面して駐車場としても利用可能な園庭と大きな開口をもつ小規模ならではの地域に開かれた計画である。
 仕切りのない小規模ならではの空間とするため、大きな箱に斜めに置かれた小さな箱によって全体が緩やかにつながりつつも多様なたまり場のできる計画としている。この「入れ子」状の構成は小さいながらもお気に入りの居場所を探したり回遊することができ、目の届きやすい安全性に配慮した空間である。
 「入れ子」空間の内部にはキッチン・トイレ・シャワー等をコンパクトに納め、壁面には園児たちの衣服や遊具・絵本などの収納棚を洗面台とともに配した。このシンプルな構成と家型の外観は、生涯子どもたちの記憶に残る保育園となるであろう。また、空間を分節する壁のないワンルーム空間は新たな保育空間のあり方であり、さらに地域に開かれた外観はこれからの地域型小規模保育園の新しいモデルになると考えている。本計画は2013年12月に設計依頼・2014年4月開園というタイトなスケジュールではあったが、子供によりよい環境をという建築主の強い希望で計画された。