Tenjin Central Park HARENO GARDEN
天神中央公園 ハレノガーデン
Site
Fukuoka







Tenjin Central Park HARENO GARDEN
天神中央公園 ハレノガーデン
Site
Fukuoka
Data
2019
Photo
(c) Yousuke Harigane
(c) Seinosuke Kaneda
Award
日本建築学会 建築九州賞 佳作(九州建築選2020)
Press
新建築2022年3月号(新建築社)
福岡・天神の東端・西中洲エリアに建つ木造2階建てのフレンチルネサンス様式の洋風建築である旧福岡県公会堂貴賓館(設計:三條栄三郎/1910年)は、1956年以降県教育委員会庁舎として使われていたが、1981年の県庁移転に伴って1984年に国指定重要文化財に指定されている。1989年に旧県庁跡地は天神中央公園となったが、30年近く経過して多くの樹木が生い繁り、北側道路や那珂川対岸から公園内への見通しを遮っている状態であった。本計画は、福岡県による歴史的景観・水辺景観・公園の緑の景観の再整備に併せ、Park-PFI事業(2017年の都市公園法改正の施行により創設)によって民間事業者が飲食機能を有した便益施設(公園施設)2棟を整備運営するとともに、収益の一部を活用して公園利用者のための休養施設(特定公園施設)整備を行うスキームの国内2事例目(1事例目は北九州市の勝山公園)である。
北側道路から旧貴賓館を引き立てる風景となるよう、カフェ・レストランの入るEASTは地形が連続しつつボリューム感を低減するような造形とすることで、ランドスケープとの調和を図った。那珂川沿いには水辺を楽しめるデッキテラスを設けるとともに、軒先を一部跳ね上げることでより開放的な眺望を望める空間としている。軒先を休養施設(水上バス事務所)のboat houseと連続させることで、2つの建築の間に旧貴賓館がフレーミングされるような、対岸から一体感を感じる印象的な風景をつくっている。
ベーカリーの入るWESTは透明感の高いファサードにより賑わいが公園に滲み出している。県産材ヒノキのベンチを設けたルーフデッキへの大階段は旧貴賓館前広場のイベントを眺められる桟敷席のようになるとともに、ショップ側からは大階段の開口ごしに旧貴賓館がフレーミングされる。
まちや水辺にひらき、旧貴賓館を引き立てるようなランドフォーム・アーキテクチャー(地形的建築)によって、ランドスケープと建築が連続した一体感ある風景の創出を目指した。
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