YAMAYA Sohonten ZEN / SHIROGANE KOMICHI
やまや総本店 膳/白金小径

Site
Fukuoka

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(c) Yousuke Harigane
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(c) Seinosuke Kaneda
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(c) Yousuke Harigane
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(c) Yousuke Harigane
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(c) Yousuke Harigane
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YAMAYA Sohonten ZEN / SHIROGANE KOMICHI
やまや総本店 膳/白金小径

Site
Fukuoka

Data

2023

Photo

(c) Yousuke Harigane
(c) Seinosuke Kaneda

Award

グッドデザイン賞2023
日本空間デザイン賞2023
iF DESIGN AWARD 2024
第10回福岡県木造・木質化建築賞 木質化の部 大賞

福岡市中央区の飲食店。周囲を中高層の建物に囲まれた都市部の乱雑な環境に対し、建築によって非日常的で周囲から遊離した空間を作り出すため、黒いボックスで閉じられた空間の中に中庭を配置する形態とした。中庭の形態はスーパー楕円(n=2.5)とする事で、周囲のどの地点においても角を感じない柔らかな曲率へ調整した。また、旧家に残された空間や物質の記憶を継承するため素材を生け捕りし、空間の中で再構築している。

本建築は元来その土地にあった邸宅に残された「門扉・瓦・間知石・欄間・建具・樹木」を建物解体前に生け捕りし、新たな建築の部材として転用している。いわゆるスクラップ&ビルドではなく、土地及び地域のコンテクストを尊重しながら選択的転用を行うことで、新たな建物に置き換わっても地域の人々に持続的に愛着を持って使ってもらえる建築のあり方を試行した。既存部材の選択的転用にあたって重要な3つの記憶の継承が必要だと考えた。以前土地に存在していた邸宅のボリューム配置を踏襲した「空間の記憶」、欄間や建具・瓦といった「物質の記憶」、邸宅の門扉や擁壁に使われていた間知石・梅の木などの庭木を利活用することで「地域とつながる記憶」である。受け継いだ機能が新たな建築とつなぎ合わされることで、新しい価値を獲得する操作は、環境負荷低減の視点においても、人々が「愛着を持って長く使う」というシンプルかつ持続的な手法でもある。