JR Hizen-Hama Station Community and Tourist Facility
JR肥前浜駅交流拠点施設
Site
Saga
JR Hizen-Hama Station Community and Tourist Facility
JR肥前浜駅交流拠点施設
Site
Saga
Data
2021
佐賀県鹿島市にある長崎本線・JR肥前浜駅交流拠点施設としての駅舎復原・増築および駅前広場整備の計画である。アダプティブリユースとは歴史的建造物を保存しつつ活用する手法であるが、本計画では前稿での歴史的考証を踏まえて、既存駅舎を復原し、北側へ増築することで駅舎と一体的な交流拠点施設を整備した。復原部には駅舎の待合コンコースのほか重要伝統的建造物群保存地区「肥前浜宿」への観光案内機能を強化するためのNPO等活動スペース・オフィスとともに、地域居住者の立ち寄りやすいギャラリーを設け、広場を挟んでショップ・カフェとトイレを増築している。既存駅舎からの動線を考慮して、増築部の下屋を既存駅舎まで延長した。また、増築部は約1mホーム側からオフセットすることでホーム内に足場を掛けずに保守管理が可能なようにしている。
増築にあたり、既存駅舎に復原したスレート葺きの屋根を増築部にも連続させ、柱割りも既存駅舎のモジュールを採用するなど、新旧が調和するようなデザインを検討した。増築部外壁にはアルミアングルを挿入することで、塗材クラック防止とともに既存駅舎の開口部高さからの連続性を意識している。増築部に既存駅舎に似せた要素を用いると、築後80年以上の時間差の感じられないイミテーションになってしまうと考え、敢えて違う要素を挿入することで、新旧の要素が対峙しつつも渾然一体となった風景を目指し、駅前広場整備と併せて計画した。
※平瀬有人が肥前浜駅デザイン検討プロジェクトチームにて設計監修担当