Nakao Jinroku Hotel Urata Villa
中尾甚六ホテル 浦田別邸

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Saga

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(c)大塚紘雅
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ダイアグラム

Nakao Jinroku Hotel Urata Villa
中尾甚六ホテル 浦田別邸

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Saga

Data

2026

Photo

(c)大塚紘雅

佐賀県唐津市呼子町、朝市通りに面して建つ古民家を宿泊施設へと転用する計画である。呼子の町並みの一角を形成してきた既存木造建築は、斜材を持たない伝統的架構によって成立していたが、長年の使用と環境の影響により、柱梁の歪みや腐朽が進行し、構造的にはきわめて不安定な状態にあった。本計画は、単なる補修や更新ではなく、歴史的町並みの文脈に応答しつつ、既存建築が内包してきた時間をいかに次の世代へと繋ぐかを主題としている。
1階中央には構造的なコアを設け、その内部を包み込むように静謐なシアタールームを配置した。2階では十字形平面となるよう構造補強を行い、東西方向にはチューブ状のリビングルームを、南北方向には二つの寝室を挿入している。リビングルームの西端からは、中尾家屋敷の屋根越しに呼子港の風景が切り取られ、町から海へと連なる視線の延長線上に居場所がつくられている。
外観や既存躯体を可能な限り残しながら、建物内部に新たな構造体を挿入するという方法によって再生を試みた。これは、失われつつある架構を厳密に復元する保存的態度ではなく、新旧の構造を並置し、時間の差異を可視化することで、建築の記憶を更新する行為である。内部に挿入された構造体は、既存架構に依存することなく自立し、内側から建物全体を拘束・補強する役割を担っている。