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YNH|代々木の住宅

Site
Tokyo

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(c) Takeshi YAMAGISHI
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(c) Takeshi YAMAGISHI

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YNH|代々木の住宅

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Tokyo

Data

2010

Photo

(c) Takeshi YAMAGISHI

Press

新建築住宅特集2012年5月号(新建築社)
ディテール189号(彰国社)
AXIS vol.150(アクシス)

 30代前半の夫婦・子供のための閑静な住宅街に建つ住宅である。戦国時代に大田道灌が『砦』としていたその周辺の土地の歴史性という時間軸とどのように連続性を持つかを主眼に考えた。敷地は北西が道路で南東が隣家に近接しているため、光の取り入れ方が大きなテーマとなった。『砦』のイメージから類推して計画した、スコットランドの「Scotish Tower-House(城館)」のような三層の吹抜空間が「光の筒」のような役割を担っている。住宅の中の広場のような「光の筒」を中心に各階の居室は配され、吹抜に面した各居室の開口部は居室同士を視線で繋ぐ役割を果たしている。
 グリッド状に連続する「自律的」な形式の開口部をファサードに持ち、周辺の環境や眺望や内部の機能と緩やかに連関してその大きさを「他律的」に変形している。アイレベルに開口部を連続させ、枠の納まりをフレームレスに近づけることで、狭小ながらも視線が内外に抜ける圧迫感の無い空間となった。居室は別の機能にも交換可能性を持つ仕様とし、環境の微差をとらまえた「祖型」の創出を目指した。
 日本では周辺の建築の形態や開口部の位置・プロポーションを継承した立面を考えても、ものの数十年で建て替わってしまうことが多い。周辺環境の持つコンテクストを考える上で、日本において拠り所となるのはロングスパンで変化の少ない土木スケールの道路の持つ質感や色だと考え、それらの質感から連続して生まれた『砦』のような量塊を目指した。